新井ライライ

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【ショートショート】冷たいラジオ

ジジジジビー、ジジズズ急に聞こえてきたそれは、電波を受信しようとする壊れたラジオのようだった。ジジジズーズーピーたまにある、換気扇を伝わって届く、廊下なのか隣の部屋の人の声なのか。もしくは、ケータイで動画が勝手に流れ始めたのかと思った。キッ...
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【ショートショート】くものこ

ある日、気づいたらそこにいた。部屋の隅の天井に、白くもやっとしたものがあった。バレーボールくらいの大きさ。最初は蜘蛛の巣か、埃が溜まったのかと思った。くもだった。夏の始まりの日だった。何をするでもない。ただただそこにぽかんと浮いている。くも...
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【ショートショート】おいしい匂い

女性がそれに気づいたのは、電車に乗ってしばらく経ってからだった。夜の帰宅ラッシュの時間。運良く空いた隅の席に納まると、空腹のお腹を宥めようと丸まっていた。混雑した車内はドアが開くたびに乗客が増え、立つ人で隙間がないほどだった。 どこかの駅で...
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【ショートショート】小さな王様

あるところに、小さな王様がいました。小さな王様は、とても怒りっぽいことで有名でした。背丈は人々の腕にすっぽりおさまるくらい小さいのに、人々の5倍も10倍も、いえ、それ以上にいつも怒っていました。 王様が怒る時は、顔を真っ赤にして怒ります。な...